お年寄りに多い「腰痛」や「膝の痛み」は、猫背や体が歪んだ座り方など、姿勢の悪さが原因となっていることがあります。高級オフィスチェアは、座る人の体にしっかりとフィットするよう調整機能を搭載しており、体が疲れにくく負担の掛からない正しい姿勢へと導いてくれます。
ところが、高齢者がオフィスチェアを使う場合には、注意する点があります。それは、「キャスター」。基本的にオフィスチェアにはキャスターが付いており、力のないお年寄りにとって、移動させる際には非常に便利です。
しかし、立ち上がる瞬間など、オフィスチェアが意図しない方向へと動き、それが原因で体がバランスを崩して、転倒してしまう可能性もあります。また、座った状態から立ち上がる際の補助機能として効果的な「アームレスト(肘置き)」も、手を置く重点がずれると、オフィスチェアの回転機能により座面がグラグラと不安定に動き、バランスを崩しやすいです。ですから、極端に筋力が劣っている方や不安定な体幹の方は、オフィスチェアの利用は避けた方が良いでしょう。
高齢者向けにオフィスチェアを選ぶ際、気をつけたいのは「座面の高さ」。座面が高過ぎると、太ももに負担が集中し、足のむくみの原因となりますし、低すぎても、今度は足(膝)への負担が多くなり、膝痛が悪化します。そして、高齢者の多くは身長が縮んでしまっている為、座面を低く調整できるオフィスチェアを選ぶ必要があります。その条件に当てはまるのが「キャストチェア」。
キャストチェアは、座面の高さを38cmまで低く調整できるので、身長146cm~の方にも対応します。もし、身長が146cmに満たない場合には、オフィスチェアの利用は諦めましょう。足置きやオプションのフットレストを使う方法もありますが、足の自由度が低くなるので、お年寄りにはつらい体勢を強いられる場合がありますし、座面の高さだけを無理やり合わせたとしても、今度は背もたれの形状や座面の奥行きが合わない可能性が出てきます。
頭を支えてくれるヘッドレストと、背の高い背もたれ(ハイバック)は、首・背中にかかる負担を体全体でうまく分散し軽減してくれるので、「首の痛み」や「背中の痛み」にも効果的です。アームレストは、座っている状態から立ち上がる際に力の弱いお年寄りのフォローにもなりますし、腕の重みをが負担してくれるので、肩こりに効果的です。